免疫(減感作)療法とは

免疫療法とは

免疫療法は、現在まで行われているアレルギー疾患に対する唯一の根治療法で、一般に体質改善といわれている治療法です。

抗原の吸入により症状が悪化することが明らかで、その抗原を避けることが事実上不可能な場合(例:ハウスダスト、スギ花粉など自然界から除去できないものが原因の場合など)で、適切な治療にもかかわらず症状のコントロールがうまくいかない喘息患者やアレルギー性鼻炎患者が適応となります。
一般に比較的若い、16~60歳ぐらいの方に有効で7~8割の症例で有効です。

使用する抗原としては、喘息の方はハウスダスト、花粉症の方はスギ花粉などが中心です。
尚、一部の抗原が自費負担となる場合があります。

免疫療法の適応とならない場合

  • (1) 原因となる抗原から離脱可能な場合(抗原からの離脱が第一条件であるため)
  • (2) 多種の抗原に感作されている場合(1種や2種の抗原による免疫療法では効果がでにくいため)
  • (3) アトピー性皮膚炎など注射部位に炎症が強い場合(注射の反応が見にくいため)
  • (4) 喘息のコントロールが不良で抗原注射による発作誘発の危険性が高い場合
  • (5) 高齢者

具体的な方法

原因となる抗原を薄めた液を腕に毎週1回程度、皮下に注射して徐々に濃い濃度の抗原を注射していく治療です。

原因抗原に注射によって常に刺激されることで抵抗力(免疫力)がつき、徐々に高濃度の抗原に対して過剰反応しないようになっていきます。そのためできるだけ高濃度の抗原を維持量として注射することがより効果を高めるとされています。

個々の患者さんで必要な維持量は異なり一概にはいえませんが、維持量に到達するまで最低でも3ヵ月間は週1回の通院を要します。それ以降は2週1回程度続け、半年後からは1ヵ月ごとに維持量の注射を数年間にわたっておこないます。

効果があれば、数年間続けている方が多く、確立された治療中止の基準はありません。

舌下免疫療法(スギ・ダニ抗原)も施行可能ですので、ご希望の方はご相談ください。